ツ┃ト┃ム┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛

03年11月 メールマガジンVol.145

━━━━━━━━━━━━━━━
前号に引き続き自殺ブームを取り上げる。
前回、セカイという意味深なワードにフォーカスを当てた訳だが此処で一つ下図を見てほしい。


此れはとある自殺者の室(へや)で見つかった血文字である。
セカイとは呈色を相反し、丸で象形文字のような独自の暗号のようでもあるが、
実は此れはヲシテ文字と云う漢字伝来(諸説在り)以前の日本に固有に見られる考古学的に実在した文字である。
そして単純に五十音に対応させた場合、左から"しひき"と云う凡そ聞き慣れない語が浮き上がる事に注目されたし。
自殺者がどのような意図でこの遺書ともダイイングメッセージともとれそうな奇っ怪な謎掛けを残す必要があったのか。

また、自殺ブームに関する流言蜚語が無造作に飛び交う中、興味深いものを見つけた。
――自殺者は例外無くあるサイトを見て自殺を促された、と云うものだ。

無論、創作の域を脱しない。実際に某大学が都市伝説の流布を研究する所為で噂を流したと、名乗り出た例もある。
とは云え何も十把一絡げにオカルトの類に括ろうという無粋な帰結は避けたい。

民俗学的見地からも一種のフォークロアとして非常に興味をそそられる。


これが事実ならば自殺は各々の自由意志に因るものではなく、例えば集団催眠的なおぞましい何かが水底で瀑布の如く 渦巻いている事になる。

実際に私は噂のサイトを検索してみた。
処が、幾らデータベースを注意深く検索してみても、それらしきものは皆目浮上せず。
火の無い処から煙は立たぬと云うが矢張り眉唾物なのだろうか。
またそれは血文字の件を含め次の折までに考査を纏めておくとして、

次号は愈々、"神様"について述べる。


麻倉ツトム@K大学民俗学研究室